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三陸ジオパーク「海と大地の鼓動を刻む」
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青森県八戸市から岩手県を縦断し、宮城県気仙沼市まで南北約220㎞、東西約80kmのエリアに広がる日本最大のジオパーク。海岸特有の自然景観など48の見所を持つジオの宝庫です。今回は北部エリアを中心に、三陸ジオパークの杉本伸一さんにご案内いただきました。

自然の力の造形美「浄土ヶ浜」

自然の力の造形美「浄土ヶ浜」

自然の力の造形美「浄土ヶ浜」

江戸時代、「さながら浄土のごとし」と霊鏡和尚(れいきょうおしょう)が感嘆したことから名付けられたといわれる「浄土ヶ浜」。三陸を代表する景勝地のひとつです。

切り立つ白い岩肌と青く澄んだ海、そこに緑の松林が添えられ、日本らしい自然の造形美を感じることができます。

なかでも、ひときわ目を引く白い岩。この岩の正体はマグマが冷えてできた流紋岩です。

約5200万年前、恐竜が絶滅した後の時代、マグマが上昇し、地表近くで鏡餅のような形に固まりました。その後、地殻変動により地盤が隆起し、永年の波や風の侵食を受け、現在の景観が作られたといわれています。

写真提供:PIXTA

岩肌には、マグマが冷却固結する時にできる柱状の割れ目(柱状節理)以外にも、マグマが流れた模様(流理構造)が残っています。模様をじっくり観察すると、遥か昔、岬全体が鏡餅のように丸いマグマだったことが窺えます。

穏やかな波音とウミネコの鳴き声が聞こえるこの浜では、ゆったりとした時間が流れています。ところが夏になると風景は様変わり。海水浴を楽しむ多くの人で賑わう場になるそうです。

 

三陸の魅力を解説!

北部は、海底の堆積物や海かいざん山などがプレートに乗って移動し、大陸に付加したものからできています。 地質には、放散虫が深海に堆積した岩石(チャート) や海底火山から噴き出たマグマ、サンゴなどからで きる石灰岩などさまざまな海洋堆積物が混在して います。 南部は、およそ5億年前、現在の赤道付近にあったゴ ンドワナ大陸の一部でした。マグマの活動が活性化 し、南部北上山地を含む地域がやがて分離。赤道付 近を移動し、今の位置までやってきたのです。サンゴ などからできる石灰岩が多く見られるのも、暖かい海 でできた大地であることを物語っています。 赤道 地球 ゴンドワナ大陸 早はやちね池峰山周辺を境に北部と南部で大地のなりたちが大きく異なります。 そして、1億数千万年前、北三陸と南三陸が出会いました。 三陸の誕生です!日本列島が形成されです。、宮古市を境に、 北部と南部で海岸線の形やなりたちが異なります。北部の海岸は直線的な海食崖が発達しています。かつて海底でできた 地面が盛り上がってできました。内陸まで続く海成段丘は、この平坦面 が隆起や海水面の変動で地上に現れたものです。 海成段丘ではこの平坦な地形を活かし、牧畜や放牧が盛んで す。アイスクリームやヨーグルト、お肉などに加え、海女さんが 採ってくれるウニやアワビの海の幸にも恵まれています。 波が穏やかなリアス海岸の湾内は、カキなどの養殖が盛んです。 南部はリアス海岸が発達しています。河川の侵食で大地が削られ、山 と谷が繰り返す険しい地形ができたところに、氷河期が終わり、氷河 が溶け出して海水面が上昇しました。すると、かつての谷に海水が入り 込んで入り江となり、山は岬へと変わりました。

Pick up!

ジオサイト紹介

写真提供:PIXTA(三王岩)

もっと知りたい!

豊かな海があるからこの地に暮らす

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