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地層の種類│地盤事故を防ぐために知っておきたい基礎知識
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住宅は一度購入すると中々買い換えられるものではありません。

そのため、住宅購入時には、さまざまなポイントをチェックして、自分たちが住むのに適していると判断できて初めて、購入に踏み切ることができるのです。
その中でも、特に住宅の基礎を支えている地盤について把握しておく必要があります。

地盤とは住宅基礎からの荷重が地面に伝わる部分です。地層の種類や形成された年代によって、硬い地盤や軟らかい地盤が存在します。軟らかい地盤の上に何の対策をとらずに住宅を建築すると地盤沈下により住宅が不同沈下してしまうことがありますが、適切な地盤補強工事を行うことで沈下を防ぐことができます。ここでは、地盤を構成する地層の種類について基礎知識をご紹介します。

 

地層の基礎知識

地層とは?

地層とは、砂や粘土、火山灰や小石など、そして生物の死骸などが堆積(たいせき)することによって、複数の層状になった状態のものです。地層は地域的、環境要因によって変動が起こるため、場所によって地層の厚さや種類は異なります。地層は堆積されることで形成されるため、地層の下に行けばいくほど一般的には古い地層といえるでしょう。これを地層累重(ちそうるいじゅう)の法則と呼びますが、地殻変動などの影響によって部分的に上下の地層の古さが逆転することもあります。

 

地層の主な種類

比較的新しい地質年代である第四紀に形成された地層は、沖積層と洪積層という言葉で区分して広く用いられています。

●沖積層

2万年前のウルム氷期最盛期以降に生まれた地層です。砂や粘土が川の流れによって運ばれてきてできた地層であるため、水分を多く含み軟弱であることが多くなっています。

●洪積層

沖積層よりも古い地層であり、固結した砂や粘土で構成されている種類の地層であることから、沖積層と比べると硬い地層となっています。そのため、建物の基礎を設置するのに適しているといえるでしょう。また、洪積層の台地には火山灰が風化・堆積したローム層といった火山灰質粘性土が堆積している地域があり、関東平野の台地では関東ロームが有名です。ローム層は一般的な住宅地盤としては比較的安定した地盤です。

地層を構成している土の粒子の大きさや硬さ、人為的に改変した土なのかによって地層は区分されます。

●表土

表土は地表面の最上部の層です。もとの地層が風化したものや、耕作土を含みます。砂や粘土と分解された落ち葉などによって形成されています。層は薄く軟らかいので、建物の支持地盤にはなり得ません。住宅地盤の場合には、盛土や埋土などの人工的に造成した地盤も表土とするケースがあります。

●粘土層

粘土層は粒子が細かい土からなる層のことをいいます。沖積層の粘土層は水を多く含んでいて、水が抜けるとともにゆっくりと収縮します。この収縮を圧密といい、粘土層が圧密されて地盤が下がることを圧密沈下といいます。一般的に地盤沈下などの問題が起こりやすいため、住宅を建てる際には注意が必要です。

●シルト層

土の粒子の大きさが砂と粘土の中間的な位置づけにある種類の地層です。土の性質としては粘土層に近く、圧密沈下を引き起こすことがあります。

●砂層

土の粒が目視で観察でき、シルトよりも大きな粒子で形成された地層です。水はけが良いため、水を含んでいても排水が早いため、土の変形はほぼ即時的です。そのため、砂の地盤では即時沈下が起こっても圧密沈下はほとんど起こりません。

砂層で注意が必要なのが大きな地震が起こると発生する液状化です。地下水位が高く、砂が緩く堆積している地域は、液状化が発生する可能性のある地域です。

●砂れき層

砂の中に小石などが含まれている土の地層です。比較的地盤が強固であり、建物を建てるのに向いているとされています。

●岩盤

山地や崖など非常に硬く固結した岩などで形成された地層のことをいいます。砂や粘土が長い年代を経ると岩盤になりますし、火山から流れた溶岩が冷え固まったものや、溶岩が地上に出ずに地下で固まったものも岩盤となります。岩盤は非常に堅固なことが特徴であり、杭などを打つ時の支持地盤となります。

 

住宅の建設時に地質を調べる重要性と調査方法 

分譲イメージ

地層は場所ごとに傾向や種類が大きく変わります。その地層が持つ性質を地質といい、住宅を建てる際にはその土地の地盤調査をしてから工事を始めることが重要です。

  

地盤を調査する重要性

地盤を調査することで、その土地の地盤の特徴を知ることができます。それによって必要な基礎工事の工程や規模が大きく変わることもあります。地盤沈下や液状化のリスクが考えられる場合には、その対策を行い未然に防ぐこともできることもあるでしょう。さらに、地盤調査を行うことで住宅瑕疵担保責任保険に加入できるというメリットがあります。

 

地盤の調査方法

地質や地盤の専門家による地盤調査を依頼することをお勧めします。地盤調査には、ボーリング調査やスクリューウエイト貫入(SWS)試験などの手法が使われます。ボーリング調査は、やぐらを組み、大掛かりな機械を使って地面に孔をあけて一定の深度ごと強度を調べ、土を採取できます。一方SWS試験は、ロッドという鉄の棒に荷重をかけ、荷重と貫入深度、ロッドの回転数から地層の硬軟を把握する方法です。ボーリング調査の方が詳しく調査できますが、コストがかかり大掛かりです。また、SWS試験ではコストがかからず狭小地でもできるものの、土の種類の判別は音や感触から推定し、硬い地盤が分布していると深部まで貫入できないという点があります。

 

ジャパンホームシールドのSDS試験

ジャパンホームシールド株式会社では、スクリューウエイト貫入(SWS)試験を進化させたSDS試験を行っています。SWS試験は荷重や回転だけで地盤の強度を測定していますが、SDS試験では荷重、1回転あたりの沈下量、回転のためのトルクを計測して、深度ごとに詳しく地盤を調べることができます。その精度は高く、ボーリング調査に代わって砂と粘土を判定することが可能です。

SDS試験の詳細についてはこちらをご覧ください。

 

また、同時に地下水位測定を行えば、液状化のリスクも調査することが可能です。そのため、高精度な地質調査を安く実施できるというメリットがあります。

 

住宅を建てる前に地盤調査をしておこう!

私たちが住んでいる地面の下には、さまざまな種類の地層が形成されています。地域によって特徴に差があり、場所によっても大きく変わることも少なくありません。地層によっては、地盤沈下や液状化などのリスクを抱えているものもあり、住宅を建てる場合にはしっかりと調べておく必要があります。住宅建築を検討する場合は、地盤の専門家にボーリング調査やスクリューウエイト貫入試験、SDS試験などを依頼し、しっかりと地層を調査するようにしましょう。

 

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