福島県のほぼ中央にある磐梯山を中心とした「磐梯山ジオパーク」。磐梯火山の誕生と変遷による特異な地形やそれらが人々の生活に与えた影響について知ることができます。
今回は、磐梯山ジオパーク協議会の蓮岡真さんにご案内いただきました。
神秘の湖沼「五色沼(ごしきぬま)」
福島県のほぼ中央に位置する磐梯山周辺で最も有名な観光地である五色沼。5つの沼というわけではなく、様々な色彩が見られることから「五色沼」と名付けられました。
大小30ある湖沼がそれぞれ独特の色彩を放つことから「神秘の湖沼」とも呼ばれています。
色が異なる要因は水に溶けた火山物質や湧き水、光の屈折や水中の植物などが沼ごとに異なるためと言われています。
中でも青沼(上写真)は言葉を失うほどの深く鮮やかな青色を放ちます。まるで絵の具を溶かしたような色彩はとても自然に作られたものとは思えません。
水質は酸性で魚が住めず、ケイ素、アルミニウムを含むことから水に触れた葉は成分が付着して白く見えます。神秘的で幻想的なこの景色に人は心を奪われます。
見ると幸せになるハートの鯉
次に、五色沼の中で一番広大な沼毘沙門(びしゃもん)沼をご紹介します。水中には湖底から立ち上がる水草が見え、独特の色と雰囲気を楽しませてくれます。さらに、毘沙門沼の沼越しには、雄大な磐梯山を見ることができます。
弱酸性の沼で、魚も生息することができるため、見ると幸せになるという「ハートの鯉」がいるんだとか。この鯉は赤いアイシャドウのような模様があるので、訪れた際にはぜひ探してみてください。
どこを撮っても絵になるといわれる五色沼は、天候や季節、時間によって様々な顔を見せてくれます。
一度ではなく何度も訪れて、そのたびに違う景色を発見してみてはいかがでしょうか。
次に、磐梯山の北側「裏磐梯」のなりたちについてご紹介します。
裏磐梯の景色は最近できたって本当?
磐梯山の南側を表磐梯、北側を裏磐梯といいます。下の写真は現在の磐梯山の北側「裏磐梯」の様子です。
1888(明治21)年、裏磐梯では噴火による山体崩壊が起きました。
岩なだれが川をせき止め、桧原湖(ひばらこ)や五色沼など多くの湖沼群をつくりました。たった130年前の出来事です。
五色沼の色の秘密は酸にあり!?
1.銅沼(あかぬま)
五色沼の水源と言われる「銅沼(あかぬま)」は、今も噴気が昇り、硫黄臭が漂う磐梯山の噴火口近くにあります。
沼の水は強い酸性で湖底の泥が水酸化鉄を含んで赤く見えるため、全体が赤い色に見えます。
五色沼は銅沼から流れる強酸性の水と、途中でアルカリ性の湧水と混ざり合い、様々な色彩を放っていると言われています。
2.毘沙門沼
毘沙門沼は弱酸性です。酸性の湧水があり、色はコバルトグリーン。鯉が泳ぐ五色沼最大の沼となります。
3.みどろ沼
みどろ沼も弱酸性の沼です。3 つ以上の色を楽しめる不思議な沼で、様々な水生生物をみることができます。
4.青沼
青沼は酸性で、青く澄んだ美しい沼です。透明度が高く、水底にある緑の苔の色で神秘的な色を放っています。
5.るり沼
るり沼も酸性で、青く澄んだ瑠璃色の沼です。五色沼で一番上流にあるので銅沼の水が最初に流れ込みます。
荒廃した裏磐梯の救世主とは?
1910(明治43)年頃、裏磐梯は荒地の状態でした。
そこで、「美しい森を取り戻したい」と立ち上がったのが実業家遠藤現夢(げんむ)です。
彼は私財を投じ、アカマツを中心に杉や漆など10 万本の木々を植林しました。木々を移動するため、荒野に道路まで作ったそうです。その功績から、現夢は「緑化の父」と呼ばれています。
アカマツの苗木は2 ~ 3 本まとめて植えられたのでこのように育ちました。自然では考えられない生え方です。
自然と人との協働により、今の風光明媚な景色が作られたということです。
磐梯山のオススメを紹介します!
1. 磐梯山ジオパークカレー
磐梯山ジオパークカレーとは、磐梯山の形をしたライスに地元食材を使用したご当地カレーです。磐梯山ジオパーク協議会蓮岡さん磐梯山周辺の20店舗以上のお店で提供しています。
2. 会津山塩使用「がとー塩っこら」
磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉の温泉水を煮詰めて作る会津山塩。「ヒロのお菓子屋さん」ではこの会津山塩を使った”がとー塩っこら”が人気です。
3. イエローフォール&ブルーアイス
磐梯山の火口壁にできる巨大な水の滝。硫黄や鉄を含んだ水が凍って金色に固まります。冬にしか見られない貴重な光景です。
厳冬の小野川不動滝を包むように輝く、青い氷塊。スノーシューという雪上を歩く道具を使い、是非訪れてください。
ジャパンホームシールドは戸建住宅の地盤調査・解析、住宅検査を手掛ける企業です。 累計200万棟を超える地盤調査・解析実績は国内No.1。 住まいの安全・安心を追求し、住まいづくりに役立つ情報を発信いたします。